佐藤は公務員試験に合格し、
働きながら夜間大学に通っている。
山口は学校の先生になるために浪人中。
青山は好きなコーヒーをきわめようと
カフェめぐりをしている。
優君はすごいゲームを作ると
専門学校ではりきっている。
短大に入った水沢さんは、
花屋さんでアルバイトができるようになった。
僕は美大で、やっぱり点描を描いている。
そういえば、
人はスーラの点描に似ている。
人と人とはまざらなくていい。
一緒にいる、
それだけで輝く。
今日は水沢さんとピカソの展覧会だ。
つり革をもてない水沢さんは
僕の腕をつかんでいる。
水沢さんはとてもかわいい。
水草の花を思い出す。
一章 小さな白い花