「 もう大丈夫だからね。」
知らない人の声がする。
白い部屋でねている。
緊急入院だった。
点滴の管が腕と、足のほうにもある。
3日間、意識がなかったと
看護師さんから聞かされた。
肝臓の病気だった。
血液検査の数値が 3000 に近い。
かなり悪かったと院長先生から言われた。
「 もう、しっかりしてよ。」
母親は少し声がふるえていた。
気持ち悪さがましになっていた。
弟の明良もいる。
「 兄ちゃん、水沢さんが来てくれてたよ、
ほら、その花、」
小さな白い花が見えた。
あのつらさが思い出されてくる。
再び意識がとおくなる。