水草の花

お読みくださいまして、ほんとうにありがとうございます

水草の花 23 



 チャレンジは続いた。

 苦手さの軽いものから、触ってはがまんを繰り返した。

 水沢さんはよく頑張った。
 ひとつひとつ、ほんとうによく頑張った。

 僕は気をそらすことしかできなかったが、
 僕なりに一生懸命だった。


 佐藤が聞いてきた。

「 長谷川、水沢さんと仲いいよな、」
「 ああ、そうかもな。」
「 大丈夫か? 」
「 何が?」
「 水沢さん、ちゃんとしゃべってるのか? 」
「 しゃべってると思うけど。」
「 ほんとうか? 」
「 ほんとうだって。」


「 中学が一緒でな、
  水沢さん、いつもひとりで本読んでたからな。」
「 そうか ・・・ 」
「 水沢さんの話、ちゃんと聞いてやれよ。」
「 わかってるよ。」

 佐藤がめんどうに感じた。

 水沢さんのことは、
 僕のほうがよくわかってるんだ ・・・